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21世紀を迎えた今、いろいろな結婚スタイルがあってもいいと思う。  一生事実婚のスタイルをつらぬく勇気がないのなら、私たちのように結婚後の数年間だけということでもいい。
ホンの少しの期間でも、その快適さはじゅうぶんに味わってもらえるはずだ。  地味婚もいいけど「イマドキ、結婚式なんて」 私もそう思っていたひとりだ。
真っ白い綿菓子のようなウェディングドレスは、20代のためにあるようなもの。 酸いも甘いも知りつくした30女に似合うはずはないと思いこんでいた。

大学時代に結婚式場でアルバイトをして、毎週結婚式をみていたせいか、どこか冷めていたのかもしれない。 ハデなドレスを着て、酔った客人の酒の肴になるのもごめんだった。
 私が結婚したころは地味婚ブーム。 以前は何億円挙式が当たり前だった芸能人も、ひっそりと挙式していたし、私の周囲もほとんどが入籍だけですませていた。 新しいものを追いかけるのがマスコミ。 そんな場所に身を置いていることもあり、私も地味婚でじゅうぶんだと思っていた。

 しかし彼の考えは違っていた。 彼はまだ二五歳だったし、加えて結婚に対する憧れも人一倍強かった。
 「結婚式はキチンとしなくちゃね」そういわれた時は、正直引いた。 二人の蓄えも微々たるもんだったし、たった一日(正しくは数時間)のために何百万も出すなんて身分不相応だと思っていた。  しかも彼は神社での挙式を望んでいた。 私がまだ若く、結婚式に憧れを抱いていたころは、教会のバージンロードを歩くのが夢だった。 神社といえば着物に角隠し。 寸足らずの私がそんな格好をしたら、コントに出てくる奥女中みたいになってしまう。
そんな私をみたら、口の悪い連中は死ぬまでネタにするに違いない。 そんなことを考えていたら、ますます結婚式がいやになった。
 そんな私のようすをみて、助言してくれたのが前出のカメラマンのFさんだった。  Fさんいわく「結婚式を挙げることは親孝行」。
私は手塩にかけて育てた可愛い(?)ひとり娘。 その娘の晴れ姿をみせることは、今まで慈しんでくれた親への最高の恩返しだというのだ。

なるほど。 私は自分のことしか考えていなかった。  Fさんの適切な助言を受けて、私たちは結婚式を挙げた。 オーソドックスな結婚式だったが、結果としてやってよかったと思う。


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